近況 ~NPO法人の取り組みを通して~
一般社団TMG本部 特別顧問
NPO法人YOKOHAMA TKMスポーツ&ヘルスケア 理事長
吉岡泰男
カーター大統領(第39代アメリカ合衆国大統領)との出会いは1994年7月4日の富士登山。その後、米ジョージア州アトランタ市に拠点を持つカーターセンター(1982年創設)で4年間を過ごす光栄に浴しています。
この時、初めてNPO(非営利団体)そしてNGO(非政府組織)なるものを知り学ぶことになりました。
NPO&NGOとしてのカーターセンターは平和、民主化、人権を理念とし、大統領退任後のカーター氏は北朝鮮、ハイチ、ボズニア、キューバなどの紛争解決に、そしてパナマ、ドミニカ共和国など中南米諸国、アフリカ各国を含む世界39か国での選挙監視活動に、また公衆衛生ではアフリカ、アジアを中心とする20か国での寄生虫撲滅活動に、さらに米メルク社より治療薬Mectizanの提供を得てアフリカ11か国でのオンコセルカ症防止活動などに取り組まれ、97歳の今も精力的に活動されご健勝のご様子です。
一昨年設立したNPO法人YOKOHAMA TKMスポーツ&ヘルスケア(以下、「NPO」)は揺籃期にあり、関係各位からのご厚情に心より感謝申し上げます。ただ、横浜市「ふるさと納税」制度を通し「よこはま夢ファンド」に寄せられる皆様のご支援は、一連の複雑な行政手続きを経て公的な活動原資に衣替えして拠出されるため、自由裁量とはならず歯がゆい限りです。
他方、創設11年目の女子ラグビーYOKOHAMA TKMは地域との強力なタッグを背景に、実績をあげ信頼を築いてまいりました。女子ラグビーがスポーツ普及・振興の旗手として期待される中、時宜を得て男子ラグビー・リーグワン2022所属のキヤノンがホストエリアを横浜市に移転。NPOとしても横浜キヤノン・イーグルスとのコラボを模索したところ、市民局や県ラグビー協会の後押しを受け、市内18区の小学校を継続巡回するタグ・ラグビー指導の枠組みに昨年7月より参入できました。
また、戸塚区内で精力的に体操教室を開催する横浜未来ヘルスケアシステム所属の健康運動指導士たちは、地域住民との接点がより直接的であり、NPOが新たに主催する無料体操教室シリーズともシナジー効果を生んでいます。地域に根差すラグビーの未来を予見すれば、協調参加型から独立参加型へと発展的に移行すべき頃合いと心得ています。
会計バランスシートの固定資産に属する有形資産の性質は、今世紀に入りその価値基準は伝統的に支配的であった“物理的なもの”から、知識、アイデア、社会関係などの“無形資産”へとダイナミックにシフトしています。
地域との連携、地域との連帯感の醸成を通じ、時の追い風を受け、皆様と共に力強く2022年を切り開いてゆきたいと思います。